Community Corner

COMMUNITY CORNER:レスベラトロールの作用機序を明らかにする

Nature Medicine 18, 4 doi: 10.1038/nm.2727

「赤ワインに含まれる化合物」であるレスベラトロールは、健康に種々のよい影響を与えるとされていて、多くの関心を集めている。中でも特に注目されているのは、カロリー制限と似た状態を作り出すという効能である。これは、レスベラトロールが酵母で寿命を延ばし、マウスで老化の影響や代謝性疾患を低減できるという観察結果を説明するために持ち出されたものだ。しかし、下流へのこうした影響をレスベラトロールがどのように仲介しているのかは、まだよくわかっていない。1つの仮説は、レスベラトロールがサーチュインSIRT1の活性化により効果を発揮するというもので、なぜならサーチュインもまた、寿命の調節やカロリー制限の調節に結びつけられているからである。最近Parkたちは、レスベラトロールがホスホジエステラーゼ類の酵素(PDE)を直接的に不活性化し、それがSIRT1を活性化するシグナル伝達カスケードにつながるという経路を明らかにした。この新知見が、健康に対するレスベラトロールの有益な効果の解明にどう影響するのか、また、老化関連疾患や代謝性疾患の治療法開発にどのような意味を持つかについて、3人の専門家の意見を聞いた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度