Article 喘息:インターロイキン25は喘息の病状を悪化させるステロイド抵抗性のインターロイキン-17RB+骨髄系細胞集団で2型サイトカインの産生を引き起こす 2012年5月1日 Nature Medicine 18, 5 doi: 10.1038/nm.2735 インターロイキン25(IL-25)はアレルギーや喘息に関連するサイトカインで、粘膜上皮表面で2型免疫応答を促進する機能を持ち、また腸管では寄生性蠕虫感染の防御に働いている。本研究では、IL-25の受容体であるIL-17RBが、肺での2型自然免疫応答および適応免疫応答の両方の主要なメディエーターであることを明らかにする。アレルゲンへの暴露により、これまで報告されたことのない顆粒球細胞集団〔type 2 myeloid(T2M)細胞と命名〕で、IL-25の発現が上昇し2型サイトカイン産生が誘導された。Il17rb–/–マウスでは、慢性的なアレルゲン暴露後の肺の病状が軽く、またT2M細胞とCD4+ Tリンパ球での2型サイトカイン産生が少なかった。IL-25の気道投与はT2M細胞でのIL-4とIL-13産生を引き起こし、T2M細胞がT細胞非依存性の炎症誘導に重要であることが実証された。Il17rb–/–マウスでは、T2M細胞の養子移入によって、IL-25に仲介される応答が再構築された。高用量のデキサメタゾン投与は、肺でIL-25が誘導するT2M応答を低下させなかった。また、同様のIL-4およびIL-13産生顆粒球細胞集団は、喘息患者の末梢血でも見つかった。これらのデータは、IL-25およびその受容体のIL-17RBが慢性アレルギー性気道疾患での自然免疫応答および適応免疫応答の標的であることを確証し、T2M細胞が新規ステロイド抵抗性細胞集団であることを明らかにしている。 Full text PDF 目次へ戻る