Review 喘息における気道上皮 2012年5月1日 Nature Medicine 18, 5 doi: 10.1038/nm.2737 喘息はTリンパ球が支配する気道壁疾患で、炎症や粘液過剰産生、気道壁リモデリングが原因であり、気管支の過敏性や気道閉塞が引き起こされる。気道上皮は、喘息の病因となるアレルゲンやウイルス、環境汚染物質に対する炎症・免疫・再生という応答の重要な調節役であると考えられている。上皮細胞は、外部環境からの刺激を検知するパターン認識受容体を発現していて、内因性の危険シグナルを分泌し、それによって樹状細胞を活性化し、自然免疫と適応免疫の間を橋渡ししている。気道の健常性の維持における上皮の機能や、喘息における上皮の機能障害について解明が進んだことで、喘息が発病し、持続化する機序についての重要な手がかりが得られており、喘息の増悪を防止し、その自然経過を変える新しい治療戦略を選択するための枠組みも明らかになると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る