Review 喘息の発症機序におけるウイルス感染とアトピー:喘息の予防と治療のための新しい論理的根拠 2012年5月1日 Nature Medicine 18, 5 doi: 10.1038/nm.2768 地域住民コホートでの喘息の開始と肺組織硬化を追跡する前向き出生コホート研究から、空中アレルゲンにアレルギー感作された状況下で起こるウイルス感染が、急性で重症の喘息様徴候の発現と、それに続く小児期から成人期まで持続することがある喘息の発症の非常に強力なリスク因子であることが突き止められている。最近、実験的研究とヒトでの研究を組み合わせて、アレルギー感作とウイルス感染という2つの事象からなるこの過程の基盤には、抗ウイルス性炎症経路とアトピー性炎症経路間の一連の相互作用があることが示唆された。こうした相互作用は、骨髄系細胞集団の気道粘膜での局所的活性化と、骨髄から供給されるその置換細胞の並行的なプログラミングと動員によって引き起こされる。喘息進行の適切な段階でこのような経路の主要な構成要素を標的とすることは、確立した喘息治療のための新しい機会となるが、小児期における喘息の一次予防および二次予防にとって、このことはさらに重要である。 Full text PDF 目次へ戻る