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虚血後炎症:ペルオキシレドキシンファミリーのタンパク質は脳における虚血後炎症の主要な開始因子である

Nature Medicine 18, 6 doi: 10.1038/nm.2749

虚血後炎症は、脳の虚血再灌流傷害の進行における重要な段階である。しかし、虚血脳に浸潤するマクロファージを活性化する機構は解明されていない。本論文では、脳の壊死細胞から細胞外に放出されたペルオキシレドキシン(Prx)ファミリーのタンパク質が、Toll様受容体2(TLR2)およびTLR4の活性化を介して、マクロファージでインターロイキン23などの炎症性サイトカインの発現を誘導することを示す。つまり、細胞内Prxは神経保護作用を持つことが以前より知られていたが、細胞外Prxは神経細胞死を促進することになる。虚血中心部でのPrxの細胞外放出は、脳卒中開始12時間後に起こった。また、抗体により細胞外Prxを中和すると炎症性サイトカインの発現や梗塞体積の増加が抑制された。対照的に、DAMP(damage-associated molecular pattern)分子としてよく知られているHMGB1(high mobility group box 1)はPrxに先立って放出され、虚血後のマクロファージ活性化には限定的な役割しか担っていなかった。したがって我々は、細胞外Prxは虚血脳のこれまで知られていなかった危険シグナルであり、また、その遮断薬は強力な神経保護手段となると考える。

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