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エイズ:抗レトロウイルス薬の動態はHIVの進化を決定し、治療転帰を予測する

Nature Medicine 18, 9 doi: 10.1038/nm.2892

現在使われている抗HIV薬ではウイルス複製が高度に抑制されるにもかかわらず、多くの患者で治療が失敗し、しばしば薬剤耐性ウイルスが出現する。臨床での観察から、服薬遵守レベルと耐性が生じる尤度の間の関係は、薬剤の種類によって大きく異なることが明らかになっている。我々は、このような観察結果を説明し、治療転帰を予測する数理モデルを開発した。このモデルには、薬剤の性質、感受性株と耐性株の間の適応度の違い、変異および服薬遵守が組み込まれている。ブーストプロテアーゼ阻害剤のような、急勾配の用量反応曲線と短い半減期を持つ薬剤の抗ウイルス活性は急激に低下し、耐性が選択されうる期間を制限していることがわかった。また、このような薬剤で服薬遵守レベルが低いと、感受性株の増殖を介して治療失敗につながることが示された。これによって不可解な臨床観察結果が説明される。このモデルではまた、特定の合剤療法が患者の服薬遵守レベルとは関係なく、耐性を防止できることが予測された。我々の方法は、未試験の抗HIV療法の臨床試験をシミュレートするための第一段階となり、また研究のために新規薬剤の投与計画を選択するのに役立つと考えられる。

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