Technical Report
画像化法:放射性崩壊シグナルの変換による疾患シグネチャーの定量的画像化
Nature Medicine 19, 10 doi: 10.1038/nm.3323
個別化医療の時代にあって、分子活性を高感度で検出して定量化できるin vivo手法の必要性が高まっている。ガンマ線の高感度画像化法は広く用いられているが、放射性崩壊は物理定数で与えられ、そのシグナルは生物学的な相互作用とは無関係である。今回我々は、疾患の分子シグネチャーを同定して測定するための、核崩壊に由来するシグナルによって励起され、標的を絞って活性化できる、特性がこれまでに調べられていないプローブという枠組みについて報告する。我々は、臨床用の陽電子放出断層撮影(PET)トレーサーなどのβ粒子放出型放射性核種によって発せられるチェレンコフ光を用いて、こうした枠組みを実現した。疾患マーカーは、チェレンコフ光に誘導されて二次的に蛍光を発するナノ粒子を用いて検出された。この方法では、従来型の蛍光画像化法に比べてバックグラウンドシグナルを低減することができる。従来型のPETスキャン像からの腫瘍の同定に加えて、予後に関係する酵素活性を定量的に測定することで、今回の手法の医学的有用性を実証した。この手法は、他のマーカー類を追跡観察するのにも適用可能と考えられ、活性化可能な核医学用医薬品への移行を示している。