Letter

生理:ヒトに2種類の褐色脂肪組織が存在することの証拠

Nature Medicine 19, 5 doi: 10.1038/nm.3017

成人で以前に観察された褐色脂肪組織(BAT)の鎖骨上蓄積は、小型哺乳類の肩甲骨間にある発熱器官に相当すると広く考えられてきた。最近この考え方に対して異議が唱えられるようになったが、それは鎖骨上の蓄積が、他の哺乳類の肩甲骨間発熱器官を作っている古典的な褐色脂肪細胞とは異なる、新たに見つかった種類の褐色脂肪細胞、つまりベージュ(別名ブライト)脂肪細胞からなるのが実証されたことに基づいている。高分解能画像化技術と組織学的および生化学的解析を組み合わせて、これまでヒトでは存在が認められていなかった古典的褐色脂肪細胞からなる、解剖学的に区別可能な肩甲骨間BAT(iBAT)がヒト新生児に存在することの証拠が示された。これらの知見に基づいて、幼児では齧歯類と同様に、小型哺乳類が寒冷環境下で生き延びるために必須の古典的な褐色脂肪細胞からなる真のiBAT発熱器官が存在すると、我々は結論する。

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