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骨格筋代謝:Rev-erb-αはミトコンドリア生合成とオートファジーの調節により骨格筋の酸化能力を調整する

Nature Medicine 19, 8 doi: 10.1038/nm.3213

核内受容体Rev-erb-αは、肝臓の脂質とグルコースの代謝、脂肪生成、またマクロファージの炎症応答を調節する。今回我々は、Rev-erb-αが酸化的エネルギー代謝を行っている骨格筋に高度に発現しており、筋でのその欠損はミトコンドリアの量および酸化機能の低下に加えて、オートファジーの増加を引き起こすことを示す。このような作用は、細胞ではミトコンドリア生合成の障害とその除去の増加の両方を引き起こし、これらは運動能の低下につながった。分子レベルでは、Rev-erb-α欠損によって、Lkb1-Ampk-Sirt1-Ppargc-1αシグナル伝達経路が不活性化された。これらの影響は、Rev-erb-αをコードするNr1d1遺伝子をノックダウンした単離筋繊維と筋細胞で再現された。補足実験では、in vitroでのRev-erb-α過剰発現はミトコンドリア数を増加させ、呼吸能を改善し、筋でのRev-erb-αの過剰発現、あるいはin vivoにおけるRev-erb-αの薬理学的活性化は運動機能を上昇させた。本研究は、Rev-erb-αが、ミトコンドリアの数と機能を制御する遺伝子ネットワークの調整により筋の酸化的代謝機能を向上させる薬理学的標的であることを明らかにしている。

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