Technical Report
画像化法:腫瘍におけるグルコース取り込みと代謝のin vivo画像化
Nature Medicine 19, 8 doi: 10.1038/nm.3252
腫瘍は正常組織に比べて、エネルギー産生を嫌気的解糖に依存する割合が大きい。我々は、in vivoでのグルコース取り込みを画像化する非侵襲的な手法を開発した。この手法は、磁気共鳴画像化法を基盤とするもので、ヒドロキシル基と水の間のプロトンの化学交換によって、非標識グルコースの取り込み量を測定する。この手法が既存の分子画像化法と異なっているのは、代謝的に活性な化合物の輸送や取り込みを生理的な量範囲で検出できる点である。我々は、glucoCEST(glucose chemical exchange saturation transfer)と命名したこの手法が、大腸腫瘍モデルでの腫瘍へのグルコース集積を高感度で検出可能で、また代謝特性や病態生理学的特性が異なる腫瘍のタイプを識別できることを明らかにした。今回の結果は、glucoCESTが、臨床での疾患の特性解析や治療応答性評価のための有用で費用対効果の高い手法となる可能性を示唆している。