好酸球が、健康時、また病気の際にさまざまな組織でどのように働いているのかは、完全には解明されていない。好酸球は炎症性疾患で重要らしく、そのため好酸球の活性化と調節に関係する経路は治療標的になるのではないかと考えられている。喘息での好酸球の役割は明らかになっているが、非アレルギー性喘息で肺組織内の増加した好酸球によって起こる気道炎症については、最近になってやっと注目されはじめたところである。BEDSIDE TO BENCHではG G Brusselleたちが、非アレルギー性の好酸球性喘息で好酸球が炎症を引き起こす発症経路や、効果的な治療法につながりそうな標的候補を詳細に検討しており、治療応答性を改善するために、細胞マーカーや分子マーカーを使って患者の表現型を調べることの必要性をはっきり示した臨床研究についても論じている。その一方で、好酸球は、脂肪組織の代謝に恒常性維持機能を果たしていることが、新しい研究によって明らかにされている。BENCH TO BEDSIDEではC M LloydとS Saglaniが、さまざまな組織のどれに好酸球が存在しているか、その所在場所が重要なことを示唆する結果について検証している。つまり、好酸球は肺にある場合は炎症を引き起こし、内臓脂肪中ではグルコース恒常性を改善する。肺組織の好酸球と肥満とを関連付ける臨床データは新たな研究を推し進めるきっかけとなり、肥満した喘息患者でこれらの炎症性細胞が果たす役割や、そうした患者に対する治療の改善方法の解明につながるかもしれない。