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感染症:活動性や潜在性の結核では、殺菌作用が宿主内で均一でないにもかかわらず肉芽腫での結核菌消失が共通して起こる

Nature Medicine 20, 1 doi: 10.1038/nm.3412

結核菌(Mycobacterium tuberculosis:Mtb)には世界の人口の30%以上が感染しているが、臨床的症状を発症するのは約5〜10%に過ぎないと考えられている。多くの研究がなされてきたにもかかわらず、感染が活動性の結核(TB)に進展する患者と感染が数十年間にわたって潜在性のまま推移する患者との違いが何によるのかは明らかになっていない。結核の経過の多様性は、Mtbに感染したカニクイザルで再現される。活動性の結核は感染したサルの約45%で起こり、それは臨床的、微生物学的、免疫学的な兆候によってはっきりするが、これら以外の感染サルは臨床的には無症候である。我々は個々に標識したMtb分離株を使い、培養可能菌量および累積菌量の定量的測定を行うことで、肺の病巣のほとんどが、おそらく単一の細菌に起源を持ち、最大菌数は同程度になることを明らかにした。このような観察結果にもかかわらず、個々の病巣の経過は、同じ宿主内でもかなり異なっていた。活動性の結核では特に、宿主は一部の病巣で結核菌を消滅させたが、それら以外の病巣では疾患が進行した。これらの結果は、病巣の不均一性が生じる一因が、適応免疫活動開始後の殺菌の差異であることを示唆している。したがって、個々の病巣は多様で重複した経過をたどることになる。このことは、決定的な反応は病巣のレベルで起こっていて、それが最終的に感染の臨床転帰を決定していることを示唆している。転帰を決定する局所因子を明らかにすることは、活動性結核を抑制するための効果的な治療介入手段の開発に役立つだろう。

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