Technical Report

画像化法:ヒト肝臓ミトコンドリアでの酸化的代謝とアナプレロティック反応のフラックスをダイナミック13C磁気共鳴分光法によって直接評価する

Nature Medicine 20, 1 doi: 10.1038/nm.3415

肝臓はグルコースと脂質の代謝調節に中心的役割を担っているにもかかわらず、ヒト肝臓の酸化的代謝をin vivoで直接的に評価する方法は現在のところ存在しない。我々は、新規な13C標識手法を13C 磁気共鳴分光法と組み合わせれば、ヒト肝臓ミトコンドリアによる酸化反応およびアナプレロティック反応の速度を非侵襲的に直接測定できることを明らかにした。この方法を使い、健康でぜい肉のない12人の被験者について、肝臓のトリカルボン酸(TCA)回路フラックスの平均速度(VTCA)とアナプレロティック反応フラックスの平均速度(VANA)を測定し、それぞれ0.43 ± 0.04 μmol g−1 min−1、および0.60 ± 0.11 μmol g−1 min−1という値を得た。また、VANA/VTCA比は1.39 ± 0.22となることも分かったが、この値は間接的な測定手法を使って最近得られた推定値の数分の1である。我々の使った手法は、非アルコール性脂肪肝疾患や2型糖尿病の発症機序の解明に役立ち、また、ヒトで酸化的代謝経路やアナプレロティック反応経路を標的とする新規治療法の有効性を評価するのにも使えると考えられる。

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