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喘息:インターロイキン17を産生する自然リンパ球とNLRP3インフラマソームは肥満に関連する気道過敏を促進する

Nature Medicine 20, 1 doi: 10.1038/nm.3423

肥満は喘息の発症と関連づけられており、こうした喘息は管理が難しいことが多い。肥満に関連する喘息につながる免疫学的経路を解明するためにマウスに12週間にわたって高脂肪食を与えたところ、肥満状態が生じ、それに伴って喘息の主要な特徴である気道過敏(AHR)が発症した。このAHRは、B細胞およびT細胞を欠くRag1−/−肥満マウスで生じたことから適応免疫とは無関係であり、Il17a−/ −肥満マウスあるいはNlrp3−/−肥満マウスでは発症しなかったので、インターロイキン17A(IL-17A)とNLRPインフラマソームに依存していることが分かった。AHRはまた、CCR6+3型自然リンパ球(ILC)でIL-17Aを産生するILC3細胞の肺での増殖と関連していた。このILC3細胞は、組換えIL-1βを投与したRag2−/−;Il2rg−/−マウスに養子移入してやると、単独でAHRを引き起こすことができた。マクロファージによるIL-1β産生は高脂肪食によって誘導され、その結果肺のILC3細胞の数が増加した。IL-1受容体アンタゴニストでIL-1βの働きを阻害すると、肥満に誘導されるAHRは起こらなくなり、ILC3細胞の数が減少した。喘息患者の気管支肺胞洗浄液中にILC3様細胞が認められたことから、肥満に関連する喘息はNLRP3、IL-1βおよびILC3細胞が仲介する炎症によって促進されると我々は考えている。

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