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免疫: de novo脂肪酸合成は制御性T細胞および17型ヘルパーT細胞の間で細胞運命を制御する

Nature Medicine 20, 11 doi: 10.1038/nm.3704

17型ヘルパーT(TH17)系譜のインターロイキン17(IL-17)分泌T細胞は、多数の炎症性疾患および自己免疫性疾患で発症に関わっており、そのため治療的介入の標的として関心を集めている。本論文では、アセチルCoAカルボキシラーゼ1(ACC1)の阻害が、ヒトおよびマウスのTH17細胞形成を抑制し、抗炎症性Foxp3+制御性T(Treg)細胞の発生を促進することを報告する。TH17細胞は、その発生をACC1を介した脂肪酸のde novo合成とその基盤となる解糖-脂質合成代謝経路に依存しているが、Treg細胞はそうではないことが明らかになった。TH17細胞はこの経路を使って細胞膜のリン脂質を産生するが、Treg細胞は同じ目的のために外来の脂肪酸を迅速に取り込む。ACC1の薬理学的阻害もしくはT細胞特異的除去は、de novo脂肪酸合成を阻害するばかりでなく、グルコース由来炭素の解糖系とトリカルボン酸回路を介した代謝的流動にも影響する。in vivoでは、ACC特異的阻害剤ソラフェンAのマウスへの投与、もしくはマウスでのT細胞特異的ACC1除去が、TH17細胞が介在する自己免疫疾患を軽減させる。我々の結果は、ACC1を介したde novo脂肪酸合成に対する依存度が、TH17細胞とTreg細胞とで根本的に異なることを示しており、これはTH17細胞が関わる炎症性疾患の代謝性免疫調節のための新たな戦略として使える可能性がある。

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