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がん:化学療法の有効性に対するI型インターフェロンシグナル伝達のがん細胞自律的寄与

Nature Medicine 20, 11 doi: 10.1038/nm.3708

マウスにおけるアントラサイクリン系薬剤の抗腫瘍効果の一部は、自然免疫とT細胞を介する抗がん免疫応答の誘発に起因する。本研究では、アントラサイクリン系薬剤が、エンドソームのパターン認識受容体であるToll様受容体3(TLR3)の活性化後に、悪性腫瘍細胞によるI型インターフェロン(IFN)の急速な産生を促進することを示す。I型IFNは、腫瘍細胞のIFN-αあるいはIFN-βの受容体(IFNAR)に結合することで、自己分泌回路と傍分泌回路の活性を誘発し、これがCXCL10〔chemokine (C-X-C motif) ligand 10〕の放出につながる。Tlr3あるいはIfnarを欠く腫瘍は、I型IFNあるいはCxcl10が人為的に供給されない限り、化学療法に応答しない。さらに、I型IFNに関連したシグネチャーから、予後の悪い乳がん患者からなる複数の独立したコホートで、アントラサイクリンを使う化学療法に対する臨床反応が予測できた。我々のデータは、アントラサイクリンを介した免疫応答は、病原性ウイルスにより引き起こされる免疫応答によく似ていることを示唆している。このような「ウイルス相同性(viral mimicry)」は、効果の上がる化学療法の特徴だろうと我々は推測している。

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