Technical Report
がん:リンパ節中の微視的な量の腫瘍の巨視的デュアルトレーサー分子画像化法による定量
Nature Medicine 20, 11 doi: 10.1038/nm.3732
多くのがん手術では、転移の確認やがんのステージ判定にリンパ節生検が用いられるが、もしリンパ節病変の非侵襲的で信頼性の高い画像化ができれば、リンパ節生検に起因する病的状態や診断の遅延を回避できる可能性がある。この目的には分子画像化法が使える可能性があるが、従来の手法は画像化トレーサー送達のばらつきや非特異的な取り込みのため、臨床では役に立たなかった。本論文では、第二の非標的化トレーサーを注入することで非特異的な取り込みを矯正し、リンパ節内腫瘍量の定量を可能にする手法を示す。この手法の実用性は、転移性ヒト乳がんの無胸腺マウスモデルで、多くのがんで過剰発現している細胞表面受容体の1つである上皮細胞増殖因子受容体を標的として確認された。腫瘍量のin vivo(デュアルトレーサー使用)測定値とex vivo測定値の間には有意な相関が見られ(r = 0.97、P < 0.01)、限界感度は約200細胞(従来のリンパ節生検法よりも高い感度と考えられる)となった。