Letter 自己免疫:免疫複合体は、樹状細胞のCCR7に依存するリンパ節遊走を誘発する 2014年12月1日 Nature Medicine 20, 12 doi: 10.1038/nm.3709 抗体はさまざまな微生物に対する防御に不可欠であるが、一部の自己免疫疾患では病因となることもある。抗体のエフェクター機能の多くは、Fcγ受容体(FcγR)によって仲介される。FcγRは、樹状細胞(DC)を含むほとんどの免疫細胞上に認められる。樹状細胞は、抗原特異的寛容もしくは免疫の誘導に中心的役割を担う重要な抗原提示細胞で、末梢臓器での抗原獲得後、リンパ管を介して流入リンパ節へ遊走し、T細胞に抗原を提示する。今回我々は、IgG免疫複合体(IC)によるFcγRの会合が末梢組織から流入リンパ節の傍皮質へのDC遊走を誘発することを明らかにする。in vitroでは、ICで刺激したマウスDCおよびヒトDCでCCL19〔chemokine(C-C)ligand 19〕濃度勾配中での方向性を持った遊走の亢進とCCR7〔chemokine(C-C) receptor 7〕発現の増加が見られた。生体二光子顕微鏡を用いて、ICの局所投与が皮膚DCの移動を引き起こすことが観察された。また、皮膚DCのリンパ節への遊走がCCR7に依存していて、抑制性受容体FcγRIIBが存在しない場合に亢進することも確認された。これらの観察結果は、自己免疫に関連している。それは、全身性ループスエリテマトーデス(SLE)患者およびSLEマウスモデルに由来する自己抗体を含む血清もin vivoで皮膚DCの遊走を亢進させるので、この過程はループスで生じる可能性があり、おそらくは自己抗原を持つDCの不適切な局在を駆動すると考えられるからである。 Full text PDF 目次へ戻る