Technical Report

アルツハイマー病:縦断的なPET-MRI測定はβ-アミロイド沈着およびrCBFの動態を明らかにし、血管アミロイドーシスと灌流の量的減少を結び付ける

Nature Medicine 20, 12 doi: 10.1038/nm.3734

β-アミロイド沈着の動態と、それに関係する二次的生理作用(局所脳血流量(rCBF)など)は、アルツハイマー病(AD)の解明を進める上できわめて重要な要因である。本論文では、2種類のアミロイド前駆体タンパク質(APP)を遺伝子導入したADトランスジェニックマウスモデルでのβ-アミロイド沈着の動態とrCBFの減少に関する縦断的なin vivoデータを示す。我々は、多重パラメーター陽電子放射断層撮影法(PET)と磁気共鳴画像化法(MRI)を用いて、脳β-アミロイド血管障害(CAA)の存在下ではβ-アミロイド沈着にrCBFの減少が伴うことを実証した。灌流量の減少は、β-アミロイド斑の量の増加と相関しているが、CAA誘導性の微小出血の数とは関連していない。しかし、実質型β-アミロイドーシスのマウスモデルでCAAが無視できるほど軽度な場合は、rCBFは変化しない。シナプスが促進する自発的なネットワーク活動はどちらのトランスジェニックマウス系統でも同様であることから、アルツハイマー病に関連するrCBFの減少はCAAが原因であると、我々は考える。

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