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肥満:ネトリン1は肥満の際に脂肪組織でのマクロファージ滞留とインスリン抵抗性を増進する

Nature Medicine 20, 4 doi: 10.1038/nm.3467

肥満の際には、脂肪組織にマクロファージが集積して慢性炎症とインスリン抵抗性が引き起こされ、2型糖尿病の発症に結びつく。だが、脂肪組織でのマクロファージの増加を調節する因子については十分に明らかになっていない。本論文では、ヒトおよびマウスの肥満状態にある脂肪組織では、神経免疫ガイダンス分子であるネトリン1が高度に発現していてマクロファージの滞留を誘導するが、痩せている場合には発現上昇が見られないことを示す。ネトリン1のマクロファージでの発現は飽和脂肪酸のパルミチン酸によって誘導され、ネトリン1はその受容体Unc5bを介してマクロファージの遊走を停止させるように働く。食餌性肥満モデルマウスでは、脂肪組織のマクロファージの遊走能が低下していて、この低下はネトリン1の阻害によって回復可能である。さらに、造血系細胞でNtn1を欠失させると、脂肪組織中のマクロファージの遊走が促進され、炎症が軽減してインスリン感受性が改善した。まとめると今回の知見は、肥満状態ではネトリン1が脂肪組織でのマクロファージ滞留シグナルとして働き、それによって慢性的な炎症とインスリン抵抗性を亢進させていることを明らかにしている。

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