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感染症:病原性の髄膜炎菌はCD147を使って血管に定着する
Nature Medicine 20, 7 doi: 10.1038/nm.3563
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は世界中で髄膜炎流行を引き起こし、急速に進行する致死的な敗血症性ショックの原因となっている。侵襲性の髄膜炎菌性感染症発症の重要な段階は、血中を移動する髄膜炎菌の末梢や脳の内皮への接着であり、これにより重大な血管機能不全が引き起こされる。病原性株の内皮細胞への接着は、まず髄膜炎菌のIV型線毛に依存して起こるが、細菌の接着に関わる内皮受容体は分かっていない。本論文では、免疫グロブリンスーパーファミリーに属するCD147〔別名EMMPRIN(extracellular matrix metalloproteinase inducer)あるいはBasigin〕が、髄膜炎菌の線毛構成要素PilEおよびPilVに対する重要な宿主受容体であることを報告する。この相互作用を妨害すると、in vitroでは髄膜炎菌のヒト内皮細胞への最初の接着が著しく阻害され、ex vivoではヒト脳組織外植片で、in vivoではヒト化マウスで髄膜炎菌の血管への定着がともに防止された。これらの知見は、髄膜炎菌がヒトの内皮を標的とする際の分子事象を明らかにしており、髄膜炎菌が誘発する血管機能不全の治療と防止についての新しい展望をもたらすものだ。