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糖尿病:レプチンは視床下部-下垂体-副腎軸の抑制により糖尿病を回復させる

Nature Medicine 20, 7 doi: 10.1038/nm.3579

レプチン投与は、制御不良な1型糖尿病(T1D)の動物モデルで高血糖を回復させるため、レプチンによる患者治療の可能性への関心が高まっている。レプチンの抗糖尿病効果は、グルカゴン産生の抑制、グルカゴン反応性の抑制、あるいはこの両方によって生じると考えられてきたが、レプチンは膵α細胞へ直接の影響を与えているようには見えない。従って、レプチンが抗糖尿病効果を生み出す機構はまだよく分かっていない。我々は、糖尿病性ケトアシドーシスのモデルなどの制御不良糖尿病の3種のラットモデルで、肝糖新生速度および肝基質酸化の肝臓特異的速度を、酢酸、グリセロールおよび脂肪酸の全身代謝回転速度とともに測定した。これらのモデルの全てでより高い肝糖新生速度が見られ、これは低レプチン血症が誘発する視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の活性が原因であるらしいことが明らかになった。この結果として、脂肪細胞での脂肪分解速度の上昇、基質プッシュ機構による肝臓でのグリセロールのグルコースへの変換、および肝アセチルCoAによるピルビン酸カルボキシラーゼフラックスのアロステリックな活性化増強を介したピルビン酸のグルコースへの変換が加速されるようになる。また、このような影響は、血漿中のインスリンやグルカゴンの濃度変化、また肝臓の糖新生関連タンパク質の発現変化とは無関係だと考えられる。全身および肝臓での代謝フラックスの変化全てが、ラットへのイントラリピッドあるいはコルチコステロンの注入によって模倣でき、こうした変化はレプチン補充によって元に戻った。これらのデータは、制御不良な糖尿病での肝糖新生増加や高血糖の促進に、脂肪分解や肝臓への基質の送達が重要な役割を担っており、これらが低レプチン血症やHPA軸活性から派生していることを実証している。

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