Editorial

Technical Reportsを定義し直す

Nature Medicine 21, 1 doi: 10.1038/nm.3785

続々と開発され、爆発的に数が増えつつある新しい研究手法は、神経変性疾患、自己免疫病やがんなどのヒト疾患の包括的な理解を妨げてきた難問への取り組みに大いに役立つと考えられる。このような手法の例としてはゲノム編集技術、単一細胞解析、ゲノムやエピゲノム、プロテオームやメタボロームの包括的なマッピングや変異探索、特定の系譜の初代細胞を別の体細胞系譜から作製する技術などが挙げられるが、これらはいずれも速やかに最適化が進み、コストも使用の際の難易度も下がってきて、生物医学でも広く使われるようになりつつある。我々は、Nature Medicineなどの学術雑誌に掲載された論文でこのような新規な手法が使われているものについて、どのように扱うべきかを再検討した。そして、すでに報告されている最先端技術を応用して新しい知見を得ている論文は、通常の原著論文のセクションに掲載し、Technical Reportsのセクションには、まったく新規で、広い応用が見込まれる手法の開発についての報告、またその手法の検証と他の方法との性能比較を行った報告を主に掲載することにした。このような論文の主な狙いは、新規な手法およびそれが既存の方法より優れていることの実証となるだろう。新規な方法の検証、あるいは優秀性を示すために行われた実験で得られた新知見は、もちろんTechnical Reportsセクションに掲載されるが、そうした知見をさらに証拠立てるためのフォローアップ研究まで含める必要はない。また、Technical Reportsのセクションには、前臨床的あるいは臨床的研究を可能にするような新手法に注目して、これらを主に掲載する。この方針によってTechnical Reportsセクションと通常の論文セクションの間の相助的な関係がより一層強化されると我々は考える。こうした新たな編集方針などに関しての質問がある場合は、medicine@us.nature.com宛てに気兼ねなく問い合わせていただきたい。

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