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がん:イソクエン酸脱水素酵素1および2の変異は急性骨髄性白血病でBCL-2依存性を生じさせる

Nature Medicine 21, 2 doi: 10.1038/nm.3788

イソクエン酸脱水素酵素(IDH)1および2の変異タンパク質は、がん代謝物である(R)-2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)の産生を介して、急性骨髄性白血病(AML)細胞の全体的なエピジェネティック状態を変化させる。我々は、AMLのIDH1R132H変異に対して合成致死となる遺伝子を探して大規模なRNA干渉(RNAi)スクリーニングを行い、抗アポトーシス遺伝子BCL-2が目的の遺伝子であることを突き止めた。IDH1IDH2に変異があるヒト初代AML細胞は、BCL-2に対する非常に特異性の高い阻害物質であるABT-199に対して、IDH1/2野生型の細胞よりも高い感受性を示した。ABT-199は現在、ex vivoと異種移植モデルの両方で血液系悪性腫瘍に対する臨床試験が行われている。薬剤感受性を高めるこのような効果は、ミトコンドリア電子伝達系(ETC)での(R)-2-HGを介したシトクロムcオキシダーゼ(COX)の活性阻害により誘導され、COX活性の阻害はBCL-2阻害によって起こるアポトーシス誘発に対するミトコンドリアの閾値を低下させる。我々の結果は、IDH1/2の変異状態によって薬理学的なBCL-2阻害に応答しそうな患者を特定できる可能性を示しており、将来的に臨床研究でABT-199と併用するETC活性阻害薬を選択する際の合理的根拠ともなる。

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