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がん:ヒトがんで予後予測因子となる遺伝子および浸潤免疫細胞の横断的研究

Nature Medicine 21, 8 doi: 10.1038/nm.3909

腫瘍および腫瘍関連細胞の分子プロファイルは、臨床転帰のバイオマーカーとして大きな期待が寄せられている。しかし、既存のデータセットは断片的であり、体系的に解析することは難しい。本研究では、39種の悪性腫瘍にわたる約18,000例のヒト腫瘍(生存転帰を含む)の汎がんリソースおよび発現シグネチャーのメタ解析について報告する。我々はこのリソースを用いることで、FOXM1(forkhead box MI)調節ネットワークが有害転帰の主要な予測因子であることを突き止め、さらにCD161をコードするKLRB1をはじめとする良好な予後を示す遺伝子の発現が、概して腫瘍関連白血球を反映していることを見いだした。計算論的手法であるCIBERSORTを用いて、大規模な腫瘍トランスクリプトームでの白血球の状態を推測し、22の異なる白血球サブセットとがん生存の間に複雑な関連性があることが突き止められた。例えば、腫瘍に関連する好中球と形質細胞のシグネチャーは、乳腺がんや肺腺がんなどのさまざまな固形腫瘍に対する、生存と逆相関する有意な予測因子であることが分かった。このリソースと関連解析手法(http://precog.stanford.edu)は、個々のがんについて、またがん全体にわたって予後遺伝子や白血球サブセットを明らかにし、がんの転帰に対する腫瘍不均一性の影響を解明し、バイオマーカーや治療標的の発見を促す手助けとなるだろう。

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