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HIV:HIV-1広範囲中和抗体誘導の決定因子

Nature Medicine 22, 11 doi: 10.1038/nm.4187

広範囲中和抗体(bnAb)はHIV-1ワクチン設計の重要な要素だが、その誘導の基本的条件は十分に解明されていない。今回我々は、4,484人のHIV-1感染患者で239のbnAb誘導因子を明らかにした体系的な調査の結果を使って、ウイルス、宿主および疾患について、bnAbの進化を導く因子群を調べた。抗原曝露を反映する3つのパラメーターであるウイルス負荷、未治療感染期間の長さとウイルスの多様性が、互いに無関係にbnAb進化を促進することが分かった。黒人の調査参加者では、白人の参加者に比べて有意に高い(P=0.0086-0.038)bnAb誘導率が見られた。血漿の特異性を明らかにするために用いた中和フィンガープリント解析によって、ウイルスサブタイプへの強い依存性が明らかになった。サブタイプBウイルス感染ではCD4結合部位に対するbnAbがより高い頻度(P=0.02)で、また非サブタイプBウイルス感染ではV2グリカン特異的bnAbがより高い頻度(P=1 × 10−5)で観察された。従って、bnAb特異性を決定するサブタイプ特異的エンベロープの特徴などを含めた、宿主、疾患、およびウイルスでの重要な決定因子の解明をさらに続けて、bnAbに基づいたワクチン設計に利用すべきである。

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