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ジカウイルス:アカゲザルとカニクイザルでのジカウイルスの動態と排出

Nature Medicine 22, 12 doi: 10.1038/nm.4206

ジカウイルスによる感染は重篤な神経学的合併症と胎児異常を伴う。しかし、ジカウイルスの感染、複製、および排出の動態については、ほとんど明らかにされていない。本論文では、アカゲザルとカニクイザルは共に、南北アメリカ大陸と密接な関連があるジカウイルス、あるいは両大陸で現在流行中のジカウイルスの複数系統の感染に対する感受性が非常に高いことを示す。ウイルスの皮下接種後、ウイルスRNAは感染の1日後という早期に血漿中で検出された。ウイルスRNAは、唾液や尿、脳脊髄液(CSF)や精液中でも検出されたが、膣分泌物中では一過的にしか検出されなかった。初回感染時のウイルスRNAは、血漿と尿からは10日以内に排除されたが、唾液や精液では、ウイルス血症寬解後3週目にあたる実験最終日までウイルスRNAが検出された。初回ジカウイルス血中感染の制御は迅速な自然免疫応答と適応免疫応答と相関していた。ジカウイルスRNAは、感染の初期および後期に脳、男性および女性の生殖組織などの組織でも見つかった。初回感染後45日目に異なる系統のウイルスに再感染させた6匹のサルでは、感染が完全に防御された。これはジカウイルスへの初回感染が、感染を防御できる免疫を誘導することを示唆している。健康な動物でジカウイルスが神経系へ感染早期に侵入することや、唾液や精液中への排出の程度および持続は、ヒトでのさらなる神経学的合併症や非節足動物を介するウイルス伝播についての懸念を強めるものだ。

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