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インフルエンザ:若年成人の季節性インフルエンザワクチン接種前後の血清抗体レパートリーの分子レベルでの解析

Nature Medicine 22, 12 doi: 10.1038/nm.4224

インフルエンザに対する免疫の血清学的特徴の分子レベルでの解明は、ヒトにおけるポリクローナルな抗体反応の複雑さによって妨げられてきた。本論文では、イムノグロブリンの高分解能プロテオミクス解析(Ig-seqと略す)と、B細胞受容体をコードする転写物のハイスループット塩基配列解読(BCR-seq)とを組み合わせて用い、季節性インフルエンザの3価ワクチンを接種した前後の若年成人の血清中抗体レパートリーを、個々のクロノタイプレベルで定量的に決定した。血清の抗体レパートリーは、三価インフルエンザワクチンの3つの単価構成部分の各々に特異的な40から147のクロノタイプからなり、ブーストされた既存のクロノタイプが血清反応のおよそ60%を占めた。血清抗体の予想外に多くが、H1とH3の単価ワクチンの両方を認識した。H1+H3交差反応性抗体の組換え型は、以前流行したウイルス株由来のヘマグルチニン(HA)と広範囲に結合した。これらの抗体の一部は多数のドナーの血清中に広く存在していて、HAの頭部ドメイン中にある保存された同一のエピトープを認識した。HAの頭部に特異的なH1+H3抗体は、in vitroでは中和活性を示さなかったが、チャレンジ感染の前あるいは後に投与するとH1N1およびH3N2ウイルス株の感染からマウスを防御した。従って、我々の結果は、インフルエンザワクチン接種に対する血清学的な応答について予想外の手掛かりを明らかにしており、三価ワクチンの代わりに四価ワクチンを使うことのさらなるメリットについて疑問を提起するものである。

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