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真菌感染症:CBLBの阻害は致死的なカンジダ敗血症を防御する
Nature Medicine 22, 8 doi: 10.1038/nm.4134
真菌感染は毎年150万人の命を奪っていると推定されているが、真菌感染を防御する機序はいまだ不明である。真菌病原体の認識は、C型レクチン(CLR)受容体とその下流のシグナル伝達キナーゼSYKに依存している。今回我々は、マクロファージと樹状細胞ではE3ユビキチンリガーゼCBLBがCLRの近位シグナル伝達を制御していることを報告する。真菌が感知されると、CBLBはSYKと結合し、SYK、デクチン1およびデクチン2をユビキチン化することが分かった。機能的には、CBLB欠損によってインフラマソーム活性化の増大、活性酸素種産生の増強、および真菌の殺菌数の増加が起こる。Cblbを遺伝学的に欠失させると、カンジダ菌(Candida albicans)の皮膚感染によって引き起こされる病態からマウスが防御され、また致死的な全身感染後の生存率が大幅に改善された。これらの知見に基づいて、我々は細胞透過性CBLB阻害ペプチドを設計し、これは致死的なC. albicans感染からマウスを防御した。このように、我々は抗真菌自然免疫の調節にCblbが果たす重要な役割を明らかにし、また真菌敗血症治療のための新たな枠組みを確立した。