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代謝:SERCA2bを介したカルシウム循環が関与するUCP1非依存的なシグナル伝達はベージュ脂肪細胞の熱産生と全身のグルコース恒常性を調節する

Nature Medicine 23, 12 doi: 10.1038/nm.4429

脱共役タンパク質1(UCP1)は褐色脂肪細胞での非ふるえ熱産生に中心的役割を担っているが、ベージュ脂肪細胞でのその役割は明らかになっていない。本論文では、ベージュ脂肪細胞で起こるロバストでUCP1非依存的な熱産生機構について報告する。この熱産生には、筋小胞体/小胞体Ca2+-ATPアーゼ2b(SERCA2b)とリアノジン受容体2(RyR2)によるATP依存性Ca2+循環の増強が関与している。SERCA2bを阻害すると、ヒトやマウスだけでなく、機能を備えたUCP1タンパク質を欠損する哺乳類種であるブタでも、ベージュ脂肪細胞のUCP1非依存的な熱産生が障害される。逆に、α1およびβ3のアドレナリン作動性受容体またはSERCA2b-RyR2経路の活性化によるCa2+循環の増強は、ベージュ脂肪細胞でのUCP1非依存的な熱産生を刺激する。UCP1非存在下では、ベージュ脂肪細胞は、SERCA2b経路を介したATP依存性熱産生のために、解糖系、トリカルボン酸代謝、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性の増強を介して活発にグルコースを消費する。従って、ベージュ脂肪細胞は「グルコース・シンク」として機能し、体重減少とは無関係に耐糖能を改善する。我々の研究から、ベージュ脂肪細胞がCa2+循環を介して全身のエネルギー恒常性を制御する非カノニカルな熱産生機構が明らかになった。

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