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免疫:抗原発見とMHCII拘束性エピトープの免疫優性順位の詳細
Nature Medicine 24, 11 doi: 10.1038/s41591-018-0203-7
感染症や自己免疫、免疫腫瘍学などの研究において免疫優性T細胞エピトープを見つけ出すことは、いまだに相当な難問である。我々は抗原発見という問題に取り組むために、定量プロテオミクスによる手法を開発した。この方法によれば、主要組織適合遺伝子複合体クラスII(MHCII)関連ペプチドエピトープと抗原性の生化学的特徴を偏りなく見つけ出すことができる。免疫優性MHCII拘束性エピトープのゲノム規模での予測のために、我々はこれらのデータに基づいてディープニューラルネットワークモデルの訓練を行った。そして、このモデルをbacteria originated T cell antigen (BOTA) predictorと命名した。検証研究では、BOTAはモデル病原体のリステリア菌(Listeria monocytogenes)と共生微生物のMuribaculum intestinale由来の新規CD4 T細胞エピトープ群を正確に予測した。BOTAによって予測された免疫優性T細胞エピトープを確定するために、我々はDNAにコードされたペプチド–MHCIIライブラリーをスクリーニングするハイスループットな手法を開発して、単一細胞RNA塩基配列解読によって突き止められたT細胞受容体による機能的認定を行った。まとめると、これらの研究は、幅広い免疫病態にわたって免疫優性の全体像を明らかにするための枠組みを提供するものだ。