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がん:患者由来の小児脳腫瘍モデルのバイオバンク

Nature Medicine 24, 11 doi: 10.1038/s41591-018-0207-3

脳腫瘍は小児のがん関連死の主たる原因である。ゲノム研究からは小児脳腫瘍の分子サブグループや発がんドライバーについての知見が得られており、これらは新しい治療戦略につながると考えられる。新しい治療法を評価するためには、この疾患の生物学的な不均一性を十分に反映する、より良い前臨床モデルが必要である。Children's Oncology Group ACNS02B3研究を介して、我々は30の患者由来同所性異種移植モデルと小児脳腫瘍の14の分子サブグループに相当する7つの細胞株を作製し、包括的特徴付けを行った。患者由来同所性異種移植モデルは、組織学的また免疫組織化学的性質、遺伝子発現、DNAメチル化、コピー数、および変異プロファイルに関して、モデルが由来するヒト腫瘍によく対応していることが分かった。標的療法のin vivo薬剤感受性は、異なる腫瘍分子サブグループや特定の遺伝学的変化に関連付けられた。これらのモデルとその分子的特徴付けは、がん関連分野の専門家が重要な発がんドライバーを研究し、新規な治療戦略を評価するためのこれまでなかった情報供給源となるだろう。

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