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白血病:ソラフェニブはFLT3-ITD変異陽性白血病細胞で、IL-15産生を介してマウスとヒトにおける移植片対白血病活性を促進する

Nature Medicine 24, 3 doi: 10.1038/nm.4484

FLT3(Fms-related tyrosine kinase 3)をコードする遺伝子にITD(internal tandem duplication)変異を持つ急性骨髄性白血病(AML)の患者では、同種造血幹細胞移植(allo-HCT)後の再発した場合の1年生存率は20%に満たない。今回我々は、複数のチロシンキナーゼに対する阻害剤であるソラフェニブが、FLT3-ITD+白血病細胞によるIL-15の産生を増加させることを見いだした。これは同種CD8+ T細胞応答と相乗的に作用し、FLT3-ITD+ AMLの6通りのマウスモデルに長期生存をもたらした。ソラフェニブに関連したIL-15産生は、長寿命の特徴(高レベルのBcl-2と、PD-1レベルの低下)を持つCD8+CD107a+IFN-γ+ T細胞を増加させ、二次移植レシピエントでの白血病を根絶した。機序としては、ソラフェニブは転写因子ATF4の発現を低下させ、その結果、ATF4がIRF7(interferon regulatory factor 7)活性化に対して及ぼす負の調節が阻害されて、IL-15の転写が増強される。白血病細胞でのIRF7のノックダウンとATF4の過剰発現はいずれも、in vitroでソラフェニブ誘導性のIL-15産生に対して拮抗的に働いた。ソラフェニブ奏効者に由来する、ソラフェニブ治療後のヒトFLT3-ITD+ AML細胞では、IL-15レベルの上昇、IRF7のリン酸化、およびIRF7が転写的に活性なクロマチン状態が見られた。CD8+ T細胞のミトコンドリア予備呼吸能と解糖能は、ソラフェニブ治療後に、ソラフェニブ奏効者では上昇したが、非奏効者では上昇は見られなかった。今回の知見は、T細胞とソラフェニブの相乗効果は、ATF4の発現低下を介してもたらされ、白血病細胞でのIRF7–IL-15軸の活性化を引き起こし、その結果、ヒトでの白血病反応性T細胞の代謝の再プログラム化につながることを示している。従って、ソラフェニブ治療は、FLT3-ITD変異陽性AMLの同種造血幹細胞移植後に起こる有効な治療法のない再発に、同種免疫を介して治癒をもたらす可能性がある。

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