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白血病:マントル細胞リンパ腫ではイブルチニブとべネトクラックスの併用に対する抵抗性をSWI–SNF変異が仲介することが、動的な分子モニタリングによって明らかになった
Nature Medicine 25, 1 doi: 10.1038/s41591-018-0243-z
イブルチニブとべネトクラックスの組み合わせは、マントル細胞リンパ腫で高い有効性を発揮するが、治療応答の評価を可能にする戦略が必要である。AIM研究に参加した患者について我々が行った前向き解析によって、奏功者と非奏功者とではっきり二分されるゲノムプロファイルが明らかになった。完全奏功を達成した患者のほとんどでATM中に変異が存在した一方、一次抵抗性が見られた患者の全例、また病気が再発した患者ではその3分の2に、染色体9p21.1–p24.3の欠失やSWI–SNFクロマチンリモデリング複合体の構成因子の変異が見られた。循環血中腫瘍DNAの解析から、このような変化の動態は測定可能であり、治療応答性と腫瘍進化に関する同時並行的な情報が得られることが明らかになった。機能モデル化によって、SWI–SNF複合体の障害がBCL2L1(Bcl-xL)の転写増加を促進し、イブルチニブとべネトクラックスの併用が選択的有利性を持つことが確証された。まとめると、これらのデータは治療応答の分子基盤に対する重要な知見を明らかにしており、革新的な標的化療法のリアルタイムでの評価のモデルとなる。