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もっと深層まで学習する

Nature Medicine 25, 1 doi: 10.1038/s41591-018-0313-2

精神科医は現在、米国精神医学会が出版したDSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)を用いて、患者の申告と医師の所見に基づいて病名を診断しているが、このやり方では精神疾患の複雑さを捉えられないことが多い。治療法についても、数十年前からほとんど変わらない選択肢の中から試行錯誤を繰り返して選んでいるというのが現状である。記憶容量が大きく、解析が高速で行えるスーパーコンピューターは、大量のデータと格闘する神経科学者たちにぴったりと思えるし、また、脳機能画像化装置の方も解像度が上がっている。さらに機械学習を使えば、アルゴリズムに患者の情報を次々と追加して学習させていくことで、より明確かつ正確な解析パターンが得られる。「機械学習は、脳の複雑さを解きほぐしていくのにすてきに適合したシステム」だと専門家は話しており、脳の血流動態を調べるための機能的磁気共鳴画像の解析に機械学習アルゴリズムを用いる研究などが試みられていて、この分野での新しい成果が期待されている。

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