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過去25年間に臨床試験に生じた25の変化
Nature Medicine 25, 1 doi: 10.1038/s41591-018-0314-1
臨床試験という概念の起源は数百年前までさかのぼる。1025年、ペルシャの医者で哲学者でもあったイブン・スィーナー(アヴィセンナ)は自著の『医学典範』の中で、新しい治療法を試す際のルール、つまり投薬から結果観察の時刻を記録するなどの具体的手順を示した。この規範には、その後の数百年の間に数々の改良が加えられてきたが、臨床試験に関する最も重要な変化のいくつかは、比較的最近になって生じたものである。今回、臨床研究の専門家たちへのインタビューを基に、この25年の間に臨床試験がどう変化したのかを、一般的変化、試験のタイプ、試験の過程、データ収集・解析に関する25項目に分けて示した。変化の方向性はさまざまだが、1つの傾向が見て取れる。すなわち、臨床試験は複雑さを増しているということだ。臨床科学の進歩によって医薬候補の安全性や有効性が詳しく解明されるようになったため、これが臨床試験の開始準備、試験過程の詳細や進行の追跡手法、結果の解釈における特異性や複雑性の増大につながったのである。