Letter

血漿プロテオーム解析:健康の包括的な指標としての血漿タンパク質パターン

Nature Medicine 25, 12 doi: 10.1038/s41591-019-0665-2

タンパク質は遺伝子の機能を仲介し、併存疾患や行動、薬剤治療を調節するエフェクター分子である。タンパク質はまた、個別化医療での診断、全身的なデータに基づく診断、予防、モニタリングと治療に対する膨大な情報源となる可能性がある。しかし個人の健康アセスメントのために、血漿タンパク質を使って同時に多くの健康状態について評価を行うという考え方は、これまで検証されていなかった。本論文では、血漿タンパク質の発現パターンが多数の異なる健康状態、将来的な疾患リスクやライフスタイルの行動パターンを強力に記号化していることを示す。我々は、11の異なる健康指標(肝脂肪、腎濾過、体脂肪率、内臓脂肪量、除脂肪体重、心肺適応能、身体活動度、アルコール消費量、喫煙、糖尿病リスク、主要心血管イベントリスク)についてタンパク質表現型モデルを開発し、評価した。各モデルの解析は前向き研究として計画され、文書化が行われ、1万6894名の参加者での約8500万のタンパク質測定についての保存されたサンプルや臨床データという規模で実行された。この概念実証研究によって、タンパク質発現パターンは多くの異なる健康問題を確実に記号化しており、また機械学習と組み合わせた大規模タンパク質スキャニングは、多数の健康尺度の開発、また将来的にはそれらの同時測定を可能にすることが明らかになった。さらなる検証を行い、もっと多数のタンパク質表現型モデルを追加することで、この手法は単一の情報源による個別化した、いわゆる「リキッドヘルスチェック」を可能にすると我々は予想している。

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