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糖尿病/ウイルス感染:1型糖尿病の遺伝的リスクが高くなっている低年齢小児での前向きウイローム解析

Nature Medicine 25, 12 doi: 10.1038/s41591-019-0667-0

ウイルスは、膵島β細胞の自己免疫による破壊に関わっていることが示されており、こうした破壊はインスリン欠乏と1型糖尿病(T1D)を引き起こす。一部のエンテロウイルスはin vitroでβ細胞に感染でき、T1D患者の膵島で検出されていて、またメタ解析によってT1Dとの関連が示されている。しかし、複数の研究にわたる知見について、一貫性の確立は困難であった。RNAウイルスと膵島の自己免疫とを確実に結び付けるのを妨げているのは、速いウイルス変異速度、ウイルスの循環的周期性、そして病原性や集団内伝播能力が変化したバリアントが選択されることである可能性がある。β細胞ではCXADR(coxsackier and adenovirus receptor)遺伝子が細胞表面で強く発現されていて、これがエンテロウイルスの感染を促進することがある。ヒト膵臓と培養膵島での研究によって、血清型間、また同じ血清型内でエンテロウイルスのβ細胞への病原性に顕著な変動があることが示された。小児糞便中の真核細胞感染性の既知のDNAウイルスとRNAウイルスに関する今回の大規模研究で、我々は膵島自己免疫やT1Dに関して糞便中に排出されるウイルスを評価した。本研究によって、一部の低年齢小児では、膵島自己免疫の発生に関与しているのは、単発した短期のエンテロウイルスB感染ではなく、長期のエンテロウイルスB感染だが、これはT1Dには関与していない可能性が明らかになった。さらに我々は、低年齢でのヒトマストアデノウイルスC感染の少数が、CXADR rs6517774と同様に、独立して膵島自己免疫と相関することを見いだした。

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