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血漿プロテオーム解析:ヒト血漿プロテオームプロファイルで一生にわたって見られる波状変化

Nature Medicine 25, 12 doi: 10.1038/s41591-019-0673-2

老化は、健康寿命を制限する複数の慢性疾患に対する主要なリスク因子である。そのため、老化の機構は次第に、治療標的候補として認められるようになってきた。若齢マウスの血液が複数の組織にわたって老化と疾患の特徴を回復させるという実験結果は、老化に関連して起こる血中の分子的変化が老化関連疾患の生物学的性質について新たな知見をもたらし得るという説を裏付けている。我々は、若齢から90歳代までの成人(18歳から95歳)4263人から得た2925種類の血漿タンパク質について測定を行い、新たなバイオインフォマティクス手法を開発して、老化に伴ってヒト血漿プロテオーム中で起こる顕著な非線形的変化を明らかにした。40歳代、70歳代、80歳代で見られるプロテオーム中の変化の波は異なる生物学的経路を反映しており、老化に関連した疾患や表現型形質のゲノムやプロテオームとの特異な関連性が明らかになった。老化研究のためのこの新たな手法は、予期せぬシグネチャーや経路の特定につながった。これらから老化関連疾患に対する標的候補が示される可能性がある。N & V p. 1815

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