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がん治療:消化管がんでの獲得抵抗性と腫瘍不均一性の検出についての組織バイオプシーとリキッドバイオプシーの比較

Nature Medicine 25, 9 doi: 10.1038/s41591-019-0561-9

がんの治療の間には、個々の患者で、腫瘍の不均一性が独特の抵抗機序を持つ多数の腫瘍サブクローンの進化を促進することがある。以前の症例報告や小規模の症例集積研究では、リキッドバイオプシー〔具体的には血漿中セルフリーDNA(cfDNA)〕が獲得抵抗性の不均一性をよりよくとらえる可能性が示唆されてきた。しかし、cfDNAと標準的な単一病変腫瘍バイオプシーの有効性が、標的治療後に進行が見られた患者の大規模な前向きコホートで直接比較されたことはない。今回、分子レベルではっきりしている消化管がんで標的治療に対する獲得抵抗性が見られる42人の患者からなる前向きコホートで、増悪後のcfDNAと腫瘍バイオプシーとの直接比較を行い、cfDNAは臨床と関連のある抵抗性変化や複数の抵抗機構を明らかにする頻度が高く、cfDNAとマッチする腫瘍バイオプシーでは見つからなかった抵抗性変化を78%の症例で検出したことが明らかになった。連続採取されたcfDNA、腫瘍バイオプシーおよび迅速剖検検体の全エキソーム塩基配列解読によって、病変全体にわたって位置および進化的差異の大部分が解明された。我々のデータは、獲得抵抗性が腫瘍の著しい不均一性によって特徴付けされることが多く、また個々の患者での複数の抵抗性変化の出現は「例外」ではなくて「ルール」を表している可能性があることを示唆している。これらの知見は、治療に深く関連しており、獲得抵抗性という状況下では組織バイオプシーよりもcfDNAの方が有用である可能性をはっきり示している。

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