Review Article

がん治療:CAR T細胞治療実用化へ向けた最初の行程から得られた臨床での教訓

Nature Medicine 25, 9 doi: 10.1038/s41591-019-0564-6

B細胞悪性腫瘍に対するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は期待を上回る成果を挙げた。そして行われる臨床試験の数は増加し続け、がん治療に使われる細胞療法として米国食品医薬品局によって承認された最初のものとなった。こうした経験によって、CAR T細胞療法の有効性や疾患生物学と臨床転帰の間の相互作用について、いくつかの一般化可能な必要条件が明らかになった。T細胞の挙動に影響を及ぼすCAR固有の変動因子の主なものが明らかにされ、腫瘍の抵抗性の機序は徐々に解明されつつある。本総説では、現在までに蓄積されたCAR T細胞に関する臨床経験について、B細胞悪性腫瘍に限ることなく再検討し、有効性、抵抗性や成功を阻む主要な障害に関連する要因について特に取り上げる。また、このような考察が次世代型の臨床試験をどのように推進するかについて、固形腫瘍の場合を含めて論じていく。

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