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骨粗鬆症:利用が少ないFRAXを救済するためのCTスキャンを用いた骨粗鬆症性骨折の日和見的自動化リスク評価

Nature Medicine 26, 1 doi: 10.1038/s41591-019-0720-z

骨粗鬆症性骨折のリスクが高い患者を見つけ出す方法には、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)や骨折リスク評価ツール(FRAX)のようなリスク予測法などがあるが、十分に活用されてはいない。我々は、腹部もしくは胸部の定期的なCTスキャン結果を使った骨折リスクの日和見的自動化リスク評価の実現可能性を検討した。まず、CTを基盤とする予測ツールを、3つの自動的に生成された骨画像化バイオマーカー〔脊椎圧迫骨折(VCF)、simulated DXA Tスコアおよび腰椎海綿骨密度〕、それに年齢と性別のCTメタデータを用いて作成した。50〜90歳の4万8227人(51.8%が女性)で2012年(index dateとする)以前のCTが入手可能な患者からなるコホートについて、骨塩量(BMD)が入力されていないFRAX(FRAXnb)およびCTに基づく予測ツールを用いて、5年間にわたって評価を行った。そして、この予測を2012〜2017年(フォローアップ期間)の間の主要な骨粗鬆症性骨折および股関節骨折の結果と比較した。FRAXnbと比べると、主要な骨粗鬆症性骨折のCTに基づく予測ツールは、よりよいROC(receiver operating characteristic)曲線下面積(AUC)、感度および陽性反応適中度(PPV)を示した(それぞれ+1.9%、+2.4%および+0.7%)。股関節骨折のCTを用いた予測ツールのAUC、感度およびPPVの値は、1%の非劣性マージンでFRAXnbに対して劣ってはいなかった。FRAXnb入力データが利用できない際には、スクリーニング候補で利用可能なことが多い1回の腹部もしくは胸部CTに基づいて、骨折リスクの初期評価を完全自動化で行うことができる。

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