医療ビッグデータ：変革の軸－ヘルスケア分野のビッグデータが抱える難問と期待

健康データは、病態抽出のさまざまなレベルで多様なタイプの情報源から大量に作成され続けていて、その量は増加の一途である。データ生成のインフラストラクチャーとデータ解析方法の両方での最近の技術的進歩と同時に、このような状況はヘルスケアに大変革をもたらすと断言する声も増えてきたが、こちらについては依然として論争が続いている。ヘルスケアにおけるビッグデータが内包する可能性と難問に取り組むには、データ特性の理解が必要である。本総説では、医療データの「軸となる」と我々が考えるさまざまな特徴を調べ、このようなデータの作成時になされた考察や妥協、さらに当面の課題を達成できるかもしれない各種の解析法について述べる。また、ヘルスケアリソースにおけるビッグデータ使用の可能性と難点について概説する。これは、健康や病気の解明の進展にビッグデータリソースが持つ可能性に関して現在進行中の議論の一助となることを目的としている。