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がん治療:進行したBRAF変異黒色腫でのPD-1、BRAF、MEKの複合阻害:COMBI-i試験での安全性導入コホートとバイオマーカーコホート

Nature Medicine 26, 10 doi: 10.1038/s41591-020-1082-2

転移性黒色腫では、免疫療法や標的療法によって長期生存が実現されているが、患者の転帰を改善するには新たな治療戦略が必要である。今回我々は、抗PD-1抗体であるスパルタリズマブと、BRAF阻害剤のダブラフェニブおよびMEK阻害剤のトラメチニブを併用した第3相COMBI-i試験(NCT02967692)での、単群の安全性導入コホート(パート1;n = 9)と、バイオマーカーコホート(パート2;n = 27)での奏効性、安全性およびバイオマーカー解析について報告する。患者(n = 36)は以前に治療を受けたことがなく、切除不能あるいは転移性のBRAF V600変異型黒色腫に罹患している。パート1では、第3相試験の推奨レジメンは、用量制限毒性(DLT)の発現率(主要評価項目)に基づいて割り出され、スパルタリズマブ400 mgを4週間ごと、ダブラフェニブ150 mgを1日2回、トラメチニブ2 mgを1日1回投与した。パート2では、治療後のPD-L1レベルとCD8+における変化の特性(主要評価項目)を調べた。また、追加のバイオマーカーを解析した。奏効性と安全性の評価は、主な二次評価項目であった(追跡期間の中央値は24.3か月)。スパルタリズマブに加えてダブラフェニブとトラメチニブを併用すると78%の客観的奏効率(ORR)が得られ、完全奏効率(CR)は44%だった。72%の患者でグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)が起きた。全患者で一時的な用量変更があり、17%の患者ではTRAEを原因として3つの治験薬全てが恒久的に中止された。初期の無増悪生存期間(PFS)事象は、腫瘍変異負荷/炎症性を起こしたT細胞の遺伝子発現シグネチャー(GES)、もしくはベースラインでの高免疫抑制性の腫瘍微小環境(TME)GESレベルと関連があり、免疫抑制性TMEはCRも妨げる可能性がある。以上の結果から、スパルタリズマブ、ダブラフェニブ、トラメチニブの併用に関連した奏効性、安全性、オントリートメントのバイオマーカー変化は有望であることが分かり、長期的な利益を予測し得るバイオマーカーが特定された。

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