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COVID-19:香港におけるSARS-CoV-2感染でのクラスタリングおよびスーパースプレッディングの可能性
Nature Medicine 26, 11 doi: 10.1038/s41591-020-1092-0
スーパースプレッディング現象(SSE)は、以前に起こったSARS-CoV(severe acute respiratory syndrome coronavirus)やMERS-CoV(Middle East respiratory syndrome coronavirus)による感染の流行の特徴である。SARS-CoV-2では、SSEが伝播にどの程度関わっているのかはまだ分かっていないが、SSEが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の典型的な特徴である可能性を示す証拠は増えつつある。我々は、香港で2020年1月23日~4月28日の期間に確認された1038例のSARS-CoV-2感染から得られた接触追跡データを用いて、この地域での感染の全てのクラスターを特定し、特徴を調べた。51のクラスター(n = 309症例)で4~7のSSEが特定され、症例の19%(95%信頼区間は15~24%)が、この地域(香港)での全ての伝播の80%を播種したと推定された。社会的環境内での伝播は、年齢で調整を行うと、第二次症例との関連が世帯内伝播よりも高かった(P = 0.002)。症状の発現と症例確認の間の遅延を減らしても、第二次症例の数は減少しなかったが(P = 0.98)、個人を接触者として隔離することで伝播を遮断した場合のオッズは14.4(95% CIは1.9~107.2)であった。公衆衛生当局は、接触者の迅速な追跡と隔離に重点を置きながら、社会的環境を標的とした制限を実施することで、SSEのリスクを低減し、SARS-CoV-2伝播を抑制するべきである。