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統合失調症:統合失調症での線条体機能障害の神経画像用バイオマーカー

Nature Medicine 26, 4 doi: 10.1038/s41591-020-0793-8

統合失調症では線条体の機能や接続性が破壊されることを示唆する証拠が増えてきている。我々は、線条体の機能的異常(FSA)を基盤として統合失調症の認定、予後、サブタイプ分類を行うために、仮説駆動型の新規な神経画像用バイオマーカーを開発した。FSAスコアは、線条体機能障害について、正常から高度な病変にまでわたる個別化指標となる。7つの独立したコホートからの被験者(n = 1100)から得た機能的磁気共鳴画像に対して部位間交差検証を適用することで、FSAは統合失調症患者と健康な対照を80%を超える正確度で識別した(感度79.3%、特異性81.5%)。2つの縦断的コホートでは、ベースラインFSAスコアの個人間変動が、抗精神病治療への応答と有意に関連していた。FSAによって神経精神障害における線条体機能障害の重症度の連続的な変化が明らかになった。線条体機能障害は統合失調症で最も重度で、双極性障害ではそれより軽度であり、うつ、強迫性障害、注意欠陥多動性障害では健常者と区別できなかった。線条体の過活動に関わる遺伝子座によって、ドーパミン作動性機能の空間的分布と統合失調症の多遺伝子性リスクに関わる複数の遺伝子の発現プロファイルが再現された。我々は、線条体機能障害の指標となる新しいバイオマーカーを開発し、これが抗精神病治療に対する応答の予測、臨床的層別化、神経精神障害における線条体機能障害の解明に有用であることを確証したと考えている。

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