Brief Communication
SARS-CoV-2:SARS-CoV-2侵入因子は鼻上皮細胞で自然免疫の遺伝子と共に高度に発現している
Nature Medicine 26, 5 doi: 10.1038/s41591-020-0868-6
我々は、健常なヒトドナー由来の多数の組織の単一細胞RNA塩基配列解読データ中でウイルス侵入関連遺伝子の発現を精査することで、SARS-CoV-2の指向性について調べた。特定の呼吸器、角膜および腸上皮細胞中で、侵入関連遺伝子の転写産物が共検出された。このことはSARS-CoV-2の伝播の効率が高いことの説明となるかもしれない。これらの遺伝子は、鼻上皮細胞では自然免疫に関与する遺伝子と共発現していて、このことは鼻上皮細胞が当初のウイルス感染、拡散や排除に役割を担っている可能性を明らかにしている。本研究は、COVID-19患者由来の貴重な臨床サンプルを用いた将来の研究進展のための有用な情報資源を提供するものである。我々はまた、www.covid19cellatlas.orgで今回のデータを包括的に、かつ使いやすい形で公開している。