COVID-19:SARS-CoV-2に対する抗体のブラジル南部における集団ベース調査
Nature Medicine 26, 8 doi: 10.1038/s41591-020-0992-3
COVID-19に関する集団ベースのデータは緊急に必要である。我々は、SARS-CoV-2に対する免疫グロブリンMおよびG抗体測定のためにWondfo社のラテラルフロー型ポイントオブケアテストを使って、リオグランデ・ド・スル州(ブラジル)の9つの広域地方自治体で実施された、確率サンプル世帯調査3ラウンド分について報告する(https://en.wondfo.com.cn/product/wondfo-sars-cov-2-antibody-test-lateral-flow-method-2/)。調査で使用する前に、この試験法については4回の検証研究を行い、統合推定値は感度が84.8%〔95%信頼区間(CI) = 81.4~87.8%〕、特異度が99.0%(95% CI = 97.8~99.7%)であった。4月11〜13日(1回目)での血清学的有病率は0.048%(4151人中2人、95% CI = 0.006~0.174%)、4月25〜27日(2回目)では0.135%(4460人中6人、95% CI = 0.049~0.293%)、5月9〜11日(3回目)では0.222%(4500人中10人、95% CI = 0.107~0.408~)と、調査の進行の間を通して有意な上昇傾向が見られた。陽性者の家族37人のうち、17に(35%)が同じく陽性であった。この疾患のエピデミックはこの州では初期段階であり、ブラジルの他の地域とは違ってソーシャルディスタンシングが非常によく守られていた。定期的な調査はさまざまな傾向を監視するために少なくとも9月末まで継続される予定で、我々の集団ベースのデータは、州レベルでの予防対策や医療システムの準備についての決定の参考となるだろう。