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疼痛:実験的または臨床で見られる持続性疼痛の神経画像バイオマーカー

Nature Medicine 27, 1 doi: 10.1038/s41591-020-1142-7

持続性疼痛は臨床での疼痛性障害の主要な特徴だが、患者で同時に起こっている認知的特徴や感情的特徴から持続性疼痛を分離して評価することは困難である。我々は、実験的に誘発した持続性疼痛の強度を追跡できる、全脳機能的結合に基づく機能的MRIシグネチャーを開発し、6つの調査(総数n = 334)にわたって臨床的疼痛に対する感度、特異性、一般化可能性について検証を行った。このシグネチャーは、持続性の口腔顔面痛や嫌悪味覚に関する3つの互いに無関係な研究にわたって、持続性疼痛に対して高い感度と特異性を示した。また、臨床的腰痛に関する2つの無関係な研究で、臨床的疼痛の重症度を予測し、対照と患者を区別した。持続性疼痛と臨床的疼痛は、ネットワークレベルで同じような現れ方をし、特に体性運動ネットワーク、前頭頭頂ネットワーク、背側注意ネットワークで類似性が高かった。このようなパターンは、実験的な一過性疼痛の現れとは異なっていた。本研究によって、持続性疼痛に対する臨床応用の可能性が高い脳バイオマーカーが明らかになった。

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