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優れたサイエンスコミュニケーターになる方法

Nature Medicine 27, 10 doi: 10.1038/s41591-021-01528-x

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に際して、一般大衆は重要な情報を得るために研究者や医師の話に耳を傾けるようになった。しかし、科学についての情報伝達は本質的にかなりの熟練を要するものである。そこで我々はその「秘訣」を、科学者や医師、それに大学教授といった、説明することが職業と不可分な専門家に尋ねてみた。得られた答えは以下のようなものである。良いサイエンスコミュニケーターは、一般大衆と彼らを取り巻く世界を結び付ける手段でなくてはならない。まず必要なのは、「自分の話を聞くのがどういう人々なのかを知る」ことである。ターゲットが特定できれば、それに合わせて作戦を立て、話をなるべくシンプルなものにし、「説明して、考えるヒントを与える」。間違った情報が世間に広がっていれば「それを指摘し、常に正直でなくてはならない」。「常に専門の知識を積み上げる」ことはもちろんだが、「それ以外のことも知っておく必要がある」。ソーシャルメディアは非常に有効だが、どれを使うかを慎重に選ばなくてはいけない。これらは諸刃の剣になることがあるので、その場合は「感情的にならないように十分気を付け」、一方で「従来からの古いタイプのメディアも軽んじてはいけない」。また「他人の意見に耳を傾ける訓練をし、政治的な党派に関しては中立を保つ」。「自分の専門知識からあまり離れず」、「問題になっていることに集中して話し、話題をむやみに広げないこと」は特に重要である。

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